契約外業務を引き受ける必要ない
派遣法により、派遣社員は就業明示書で示された業務以外の仕事を命じられた場合、これに応じる必要はありません。
しかしながら、派遣先の責任者でも派遣法を理解していない人もいます。
特に、一緒に仕事をするような現場の人たちは派遣法を知らない方が多く、派遣社員がどのような契約内容で勤務しているのか分かっていない人がほとんどです。
このため、悪意なく契約外業務を頼まれたり、無理なお願いをされてしまうことが多々あります。
派遣社員という正社員よりも悪い待遇で働いているにも関わらず、正社員と同じ仕事をする必要はありません。
契約外業務を依頼されたら
指揮命令者に頼る
派遣の期間限定の仕事とはいえ、職場の人との人間関係に角は立てたくないものです。
派遣契約の事情を知らない社員の方に、契約外の仕事を依頼された場合は、指揮命令者の方に相談できそうであれば、まずは相談するべきです。
仕事を依頼してきた人には
「優先業務があるので、指揮命令者に確認させてください。」
自己判断で仕事を受けられないことを伝えます。
「担当業務以外に、契約外の仕事を頼まれて対応できないのでお断りしてもらってよいですか」
指揮命令者を介してお断りをすると角が立ちにくいです。
派遣社員の仕事の指示は指揮命令者を通してすることが定められているのでまともな指揮命令者であれば対応してもらえるはずです。
派遣会社に頼る
指揮命令者に相談できなかったり頼りにならなかったときは、派遣会社に相談することにしましょう。
「契約の際に聞いていない業務なので、一度派遣会社に確認をとってもらってもいいですか?」
と、派遣会社を通して仕事を依頼するように仕向けてください。
就業明示書は、派遣社員と派遣会社との契約ですので、派遣会社を通さずに派遣先企業が派遣社員に契約外の仕事を依頼することはできません。
契約外業務を依頼されたことをできるだけ早く、派遣会社の担当者に連絡しておきましょう。
まともな派遣会社であれば、派遣先企業へ契約外業務を依頼しないように伝達してくれるはずです。
派遣会社担当が対応してくれなかったら
派遣先との関係を優先したり、派遣法を知らないようなアルバイトが担当者になっている派遣会社が残念ながら存在します。
私も実際に派遣会社の担当者に契約外業務について相談した際に
「契約外でも受けれそうなら、受けた方がいいですよ」
「その仕事が受けられないなら、自分で断ってください」
など、無責任で職務放棄のようなことを言われたことがあります。
派遣先担当者に問題がある場合は迷わず派遣会社の苦情受付窓口に相談してください。
本社クレームをして、対応してもらえなかったことは今のところありません。
派遣会社担当者との関係は少し悪くなりましたが、派遣会社の都合で契約中の仕事を切られることはまずないと考えていいでしょう。
適当に扱うと面倒になる派遣社員と認定されたので、対応が多少良くなりました。
派遣会社担当者とも会うのは月に1度程度ですし、人間関係も割り切れます。
今後、新しい仕事を紹介されにくくなるようなことはあるかもしれませんが、クレームを入れる必要がある派遣会社を利用する必要はありません。
派遣会社はたくさんありますのでほかの派遣会社を利用しましょう。
契約前に相互確認を
契約前の顔合わせの段階で、契約内容を確認をしておきましょう。
絶対に譲れない条件も確認しておきましょう。
「電話対応はないですよね?」
「残業はないですよね?」など・・
契約外業務を依頼された際に「契約前には聞いていない業務なので」と断りやすくなります。
契約外業務も必要に応じて引き受けて
契約外の仕事をしなくてもよいとは言いましたが、
契約業務に付随する業務の場合全体の労働時間の10%であれば派遣先は業務を指示することができるとされています。
業務内容に関係ないことは引き受ける必要はないですが、関係のあることは少しは手伝ったほうが良さそうです。
安易に引き受けない
派遣社員として働くのであれば、契約外業務は安易に引き受けるべきではないと考えています。
給料以上の仕事をすることは精神衛生上よくないことはもちろんですが、次に自分の業務につくことになる派遣社員に迷惑をかけることになります。
前の派遣社員は引き受けてくれた。文句を言わなかった。など、契約に則って働いていてもマイナスイメージを持たせてしまう可能性があるからです。
一度引き受けてしまうと、次々とお願いされ、いつの間にか自分の業務だとされてしまうことも珍しくありません。
初めて依頼されたときにきっちりと断ることが得策です。