有期雇用の派遣社員は、3か月更新の場合がほとんどです。
常に3か月毎に失業をする可能性があるのです。
失業をしてしまったら一番最初に考えるのは『失業保険』です。
雇用保険に加入しており、一定の条件を満たせば受け取ることができます。
正社員の場合、会社都合で退職するケースはほとんどありませんが、派遣社員の場合、【会社都合】退職になる可能性が非常に高いです。
退職することになった際、派遣社員がとる行動によって【会社都合】か【自己都合】か変わってきます。
失業保険を受け取れる条件
働く意思・能力があるか
まず大前提として働く意思がある・能力があるにも関わらず働けないが条件なので、就職する意思があることが条件です。
雇用保険に加入してるか
失業保険をもらう絶対的条件として『雇用保険』に加入していることです。
雇用保険の加入条件は
①1週間の所定労働時間が20時間以上31日以上の雇用が見込まれること
②学生ではないこと
扶養内で働くため時短勤務している人、学生以外のほとんどの人は雇用保険に加入しているはずです。
給与明細をみて『雇用保険』と数百円毎月ひかれていたら確実に雇用保険に加入しています。
雇用保険の加入期間
次に確認すべきは、『雇用保険の加入期間』です。
離職理由が【会社都合】か【自己都合】かによって条件がことなります。
■会社都合の場合
離職日以前の1年間に、被保険者期間が6か月以上あること
■自己都合の場合
離職日以前の2年間に、被保険者期間が12か月以上あること
被保険者期間は空白の期間があっても構いません。
月の途中から雇用保険に加入した月は稼働日が11日以上あった場合は雇用保険に加入しているとみなされます。
会社都合と自己都合での失業保険の違い
『失業保険』は失業した際に【会社都合】であるか【自主都合】であるかによって内容がことなります。
圧倒的に【会社都合】で退職したほうが有利です。
離職してから、失業給付金を受け取れるまでの『待機期間』『給付日数』に差がでます。
『待機期間』は失業保険受給資格を得てから実際にお金がもらえる期間のことをいいます。
【会社都合】7日間
【自己都合】3か月
自己都合では3か月間無収入の期間ができてしまいます。
派遣社員の離職の考え方
派遣社員の離職理由の考え方は下記の通りです。
■【会社都合】による離職
契約終了後も同じ派遣会社から就業を希望したが、
・契約終了日までに次の派遣先を紹介されなかった
・契約終了日より1か月経過しても次の派遣先を紹介されなかった
■【自己都合】による離職
・条件にあう仕事が紹介されたが自身の都合で断った
・今後しばらくの間同じ派遣会社からの長期の就業(※)を希望しない
・転職、出産、病気療養、留学、扶養に入る、派遣会社管轄外への転居など
※長期の就業とは週20時間以上、1か月以上のことを指します。
これまで、派遣社員の場合会社都合退職であっても失業保険をもらえるまで1か月の待機期間がありました。
しかし、2010年より派遣法が改正され、同じ派遣会社から就業することを希望する場合を除き待機期間なしで失業保険がもらえることになりました。
派遣社員が会社都合で退職する条件
ややこしい話なので会社都合で退職する条件を時系列順にまとめます。
①任期満了で退職が決定する。
②就業中は同じ派遣会社から長期就業先(1か月以上)の紹介を希望する。
③任期満了までに条件の合う仕事が紹介されなかった。
④任期満了後は同じ派遣会社からの仕事紹介は希望しない。
⑤【会社都合】で離職票が発行される
派遣社員のアクションとして重要になるのは
・必ず任期満了まで勤める
・就業終了までは、仕事の紹介を『希望する』
・任期満了後は、仕事の紹介を『希望しない』
就業中に次の仕事が紹介された場合も正当な理由で断れば、会社都合退職になります。
実際に起こりうるケース
派遣切りにて任期満了
派遣社員が契約の継続を希望しているにも関わらず、派遣先が契約更新を希望しないパターンです。
就業中に派遣会社から次の派遣先の紹介がなかった場合、【会社都合】での退職になります。
派遣社員が更新を希望しない
もっとも多い退職ケースです。
派遣先が契約更新を希望しても、派遣社員が契約更新を希望しなかった場合。
意外に思われますが、このケースも就業中に派遣会社から次の就業先が紹介されなければ【会社都合】での退職になります。
任期満了を待たず退職
契約期間が残っているにも関わらず、派遣社員が退職を希望した場合は、【自己都合】での退職になります。
ただし、退職の原因が下記の場合【会社都合】になる場合があります。
ハローワークに相談しましょう。
・給与・待遇、労働時間、業務内容などの労働条件が契約内容と異なった
・給与の支払いの遅延・滞納・未払い
・給与の減額(85%以下)
・残業時間が月45時間以上に達し、それが3か月以上続いた
・セクハラ・パワハラ、いじめ、嫌がらせの被害を受けた
・会社が法令違反を犯した
法令順守している派遣会社を
派遣法はここ数年目まぐるしく変わっています。派遣会社、派遣社員も変わりゆくルールについていけていないのが現状です。
派遣会社の中には、派遣法を正しく理解していない会社も残念ながら中にはあります。
派遣会社が法律を理解していないがために、派遣社員が損するケースもあります。
大手のしっかりした派遣会社を利用するのが一番いいです。
私は、たくさんの派遣会社を見てきましたがテンプスタッフに落ち着きました。