所得税の返金は年末調整で
企業に所属している会社員であれば、勤めてる企業で『年末調整』をして、所得税の過不足を計算して大体の人が払いすぎた税金を返してもらえます。
派遣社員も例外ではなく、派遣会社に年末調整をしてもらうことになります。
副収入があったり、医療費控除、ワンストップ特例を利用していないふるさと納税をしている場合を除き、派遣会社に年末調整を頼むのが一番簡単で労力がかかりません。
派遣会社の年末調整の締め切りは早すぎる
しかしながら派遣会社が指定する年末調整の締め切りがめちゃくちゃ早い会社が本当に多いです。
派遣会社の年末調整の締め切りが早い理由として、『たくさんのスタッフの年末調整を短期間にしなければならない』だと考えられます。
理由は十分に理解できますが、それにしても早すぎるので困ります。
以前私が所属していた派遣会社WDBの年末調整の締め切りは11月15日必着でした。
派遣会社本社に郵送で送ることになるので、11月12日には投函すると考えると控除証明書が手元にそろっていない確率が十分にあります。
締め切りに間に合わない派遣社員はWDBでの年末調整がしてもらえず、自分で確定申告をするように指示されます。
テンプスタッフの締め切りは11月末と常識的な期限でしたが、提出期限に間に合わない場合は、年末調整を拒否されるようです。
年末調整は企業の義務
多くの派遣会社で、派遣会社が設けた提出期限に間に合わない場合、年末調整を拒否され、自分で確定申告するように指示されます。
しかしながら、企業が社員の年末調整を拒否することは違法です。
(年末調整)
第百九十条 給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第一号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が二千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合(その居住者がその後その年十二月三十一日までの間に当該支払者以外の者に当該申告書を提出すると見込まれる場合を除く。)において、第一号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第二号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければならない。
企業は社員の確定申告を行わなければ「10年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金」となります。
第910条によると12月31日までに年末調整の書類を会社に提出すれば、企業は社員の年末調整をする義務があります。
すなわち、派遣会社が勝手に設けている年末調整の提出期限はマイルールでしかなく、遅れて提出する派遣社員の年末調整を拒否をするのはできません。
期限に間に合う最大の努力を
年末調整が企業の義務であるとはいえ、できるだけ派遣会社が指定する期限に間に合わせるのが最善です。余裕をもって準備をする必要があります。
特に保険会社から送られてくる【生命保険料控除証明書】【地震保険料控除証明書】【小規模企業共済掛金控除証明書】が届かない場合、
手続きをすれば仮の証明書を速達で送ってもらえますので、1週間前までには手続きをしましょう。
企業の義務であることを説明
あまりに締め切りが早い派遣会社WDBに抗議をしたことがありますが、
『いかなる理由であっても指定する提出期限に間に合わない場合は、年末調整はできない』と言われました。
『法律では会社の義務ですよね』ということを伝えるとあっさり提出期限を延ばしてもらえたので、掛け合ってみる価値はあるかもしれません。
年末調整担当者も法律を知らないとこも多いので、説明してみるといいです。