家族を持ったら医療保険に加入するように家族や周囲の人たちに勧められることがありました。
しかし、我が家では自動車保険を除き民間の保険には一切入ってません。
なぜなら、健康保険組合に加入しているサラリーマンであれば公的保険で十分間に合うためです。
医療保険の加入を検討している人は、入る前に公的保険の確認をしておきましょう。
ほとんどの場合が払い損
某有名保険会社で、入院1日につき5000円、手術をすると20万円もらえる掛け捨ての医療保険の見積もりを取ってみました。
30歳に保険に加入したとして、60歳で支払いが終了するタイプのもので、きちんと支払いをすれば生涯補償をうけることができます。
最低限の補償をつけたプランで、月々の支払いは5000円でした。
毎月5000円は30年間支払うと、生涯で医療保険として180万円を支払うことになります。
生涯健康であれば、180万円は完全に払い損になります。
病気になってしまい入院をして、保険料の元をとるには360日間の入院が必要になります。
入院をしないと保険はおりない
そもそも、医療保険は入院をしなければおりません。
通院特約のつく医療保険もありますが、入院の原因になった病気限定の特約です。
医療の発展により、入院期間が短期化されており、これまで入院が必要であった病気が入院の必要がなくなっているものもあります。
大病になっても、入院がない治療であれば医療保険に加入している意味がありません。
また、平成26年の平均入院日数は31.6日ですので、保険料の元のとれる360日には到底届きません。
日本には『高額医療費制度』がある
日本の社会保険には『高額医療費制度』があり、一か月の医療費の支払いの限度額を超えた場合、超えた分の払い戻しがされる制度です。
支払い上限額は年齢、収入で変わります。
年収400万円ぐらいでしたら、1か月の自己負担額は8万円程度です。
治療に100万円かかろうが、自己負担は8万です。
万が一の時のために、8万円程度の準備なら何とかなりそうです。
差額ベット代も払う必要なし
保険の勧誘の手口でよく使われるのが『高額医療費はあるけど、差額ベット代は控除の対象にならないから保険に入ったほうがいい』いう言い分です。
大部屋での入院でしたら問題ないですが、1人部屋での入院をすると、差額ベット代として 1万円/日 とられることもめずらしくないようです。
金銭的に大部屋を希望する患者さんが多く、個室しか空いていないなど本人の意思に反して差額ベット代のかかる部屋に入院するケースは実際にあります。
しかし、下記の場合は差額ベット代を支払う必要がありません。
■差額ベット代に関する同意書にサインしていない
■重篤な状況で個室での入院が必要
■感染症にかかる恐れがある
■差額ベット以外が満床
つまり、自ら個室を希望しない限り、差額ベット代の支払いは必要ありません。
働けなくなった場合の補償もある
病気や入院が働けなくなったとしても、日本には保証があります。
健康保険組合に加入している勤め人であれば、業務外の原因で病気やケガをして働けなくなった場合、『傷病手当金』が受け取れます。
傷病手当金は、病気やケガで3日以上働けない場合、1年6か月を限度として日給の3分の2程度を受け取ることができます。
また、業務上で病気がケガになってしまい、3日以上仕事を休むことになった場合『休業補償』が受け取れます。
休業補償は病気やケガが治るまで、給料の8割程度を受け取ることができます。
病気で働けなくなったら
病気やケガで生活や仕事に制限が出てきてしまったら、受け取るとこができるのが『障害年金』です。
障害の重さにもよりますが厚生年金に加入している場合、下記の金額が毎月、65歳までもらえます。
■一級 約15万8000円
■二級 約12万円
■三級 約5.9万円
障害年金二級以上をもらっている期間は国民年金の支払いを全額免除されます。
医療保険に入るほかの対策を
サラリーマンの場合ほとんどケースで医療保険に入る必要なないと考えられます。
■入院の出費に備える
→高額医療費制度、差額ベット代を断る
■入院で働けない場合
→傷病手当、休業補償
■障害で働けなくなった場合
→障害年金
医療保険に支払うはずだったお金は貯金に回し、万が一の場合に備えるのが得策です。
医療保険によりも、下記の対策をしましょう。
■病気、ケガにかかる急な出費に備え貯金
■健康に気遣い、病気を避ける
■夫婦共働きで働けなくなるリスクに備える