無期雇用派遣とは？
無期雇用派遣とは2015年の派遣法改正で生まれた比較的新しい雇用形態です。
派遣会社の『正社員』となり、派遣会社の指定する派遣先で仕事をすることなります。
実際の仕事内容は一般的な有期雇用の派遣社員とほとんど変わらないかと思います。
無期雇用派遣はおすすめしない
派遣社員として働いている人の中には、将来的には正社員として働きたいと考えている人も多くいます。
ただ、正社員になりたいという気持ちで無期雇用派遣社員になることはおすすめできません。
無期雇用派遣は正社員なので魅力的に感じるかもしれませんが、正社員と派遣社員の悪いところを掛け合わしたような最悪な雇用形態です。
基本的には全国転勤あり
有期雇用の派遣社員は転勤を命じられることはまずありません。
一方、無期雇用派遣社員は基本的には全国転勤ありの派遣会社が多いです。
転勤なしの雇用形態を選べる派遣会社もありますが、仕事の少ない地域が居住区の場合断られたり、給料が下げらる可能性が高いです。
一般的には、転勤が伴う仕事についている人は給料が高かったり、福利厚生が充実している傾向にありますが、派遣会社はまったくそんなことがありません。
むしろ、給料は低い部類に入ります。無期雇用派遣程度の賃金で転勤族になるメリットはありません。
派遣先を選べない、人が嫌がる派遣先に飛ばされる可能性大
期雇用の派遣社員の場合、自分でやりたい仕事を探し、エントリーすることができます。しかしながら、有期雇用派遣の場合、基本的には派遣会社が選んだ派遣先に行かなければなりません。
人気の職場や派遣社員の定着率がいい職場は、わざわざ無期雇用派遣の人材を派遣しなくても、有期雇用の派遣社員で事足ります。
無期雇用派遣社員が派遣される先は、不人気職場、定着率の悪い職場が多くなることは安易に想像ができます。
最大の通勤時間は片道2時間！？
実際に筆者は無期雇用派遣について派遣会社から説明を受けたことがありますが、最大で片道通勤時間2時間の派遣先まで派遣される可能性があるとのことです。
片道の通勤時間が２時間以内の場合、拒否することができないというなんとも恐ろしい奴隷契約です。
往復で１日4時間通勤時間に費やすことになります。本当にバカみたいな話です。
派遣先の正社員になれるチャンスを潰される
よくいい派遣先で働くことができ、『ここの正社員になりたい』と思うこともあると思います。
派遣先企業が派遣社員を正社員にする１番の理由は『3年ルールを超えてしまうから』です。
どんなに必要な人材であっても、正社員で雇うより低コストで働かせることができる派遣社員で雇い続けたいというのが企業の本音です。3年ルールがあるので致し方が無く正社員にするのです。
しかしながら、無期雇用派遣であれば3年ルールが適用されません。派遣先企業は低コストで雇い続けることができるので、自分の会社の正社員にする必要性がないのです。
派遣先企業の正社員をめざすのであれば、有期雇用の派遣社員の方がチャンスが多いと思います。
こういうケースであれば無期雇用派遣でもいいかも！？
基本的にはおすすめできない無期雇用派遣ですが、唯一よいと思う利用方法は、有期雇用の一般的な派遣社員として勤めていた派遣先は３年満了したあとも継続して働き続けたいけど、派遣先には直接雇用してもらえなかった、もしくは自分自身が直接雇用にはしたくないケースです。
３年満了したあとでも、無期雇用派遣に切り替えれば継続して同じ派遣先で勤務することが可能です。
実際に無期雇用派遣の面接を受けた話
筆者は新卒の時に理系技術者無期雇用派遣の面接を受けたことがあります。
理系大学、大学院卒業者であればほぼ100％内定をもらえるという噂で大学の授業をさぼる口実で軽い気持ちで受けたものです。
その派遣会社の説明会で説明された内容がなかなか衝撃的でした。
年収は300万円で頭打ち
年収300万であれば時給換算するとだいたい1500円～1600円程度です。地域にもよりますが、一般的な派遣社員でも充分稼ぐことができる年収です。
この程度の年収額が無期雇用派遣の最高額であれば一体スタート年収はいくらなのでしょうか？
さらに理系大卒、大学院卒を対象とした求人です。一般事務などの無期雇用派遣の場合もっと年収が低くなる可能性があります。
転職支援サービスが充実！？
無期雇用派遣は30代までに退職する人がほとんどだそうです。
理由としては、派遣会社が派遣先企業やほかの一般企業に就職できるように支援するからだそうです。
無期雇用派遣とはいえ、派遣会社の正社員をほかの企業に就職できるように支援するとは驚きの話です。
派遣会社は『派遣社員の将来を考えて行っている』と熱弁していましたが、本音はどう考えてもちがうでしょう。
『30代くらいまでの需要のある若い派遣社員はほしいけど、それ以上の年齢はいらない』といったところでしょうか。
無期雇用派遣は派遣会社の『安定雇用を実施している』アピールでしかない
実際のところ、派遣会社も無期雇用の派遣社員を雇うことはリスクでしかないのです。
派遣先が見つからなくても給料を払わなければならない、解雇が難しいなどの問題があるからです。
派遣会社としても有期雇用の派遣社員だけを雇って商売をしたいというのが本音です。
しかしながら、収入が不安定で、企業に使い捨てのように扱われる派遣社員という働き方は国からも問題視されています。
間違いなく国から目を付けられている派遣会社が『安定雇用も実施している』というアピールのためにいやいやながら採用しているのが無期雇用派遣社員です。
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