昭和の時代に思い描かれていた理想の家庭は、夫は一家の大黒柱。妻は専業主婦。郊外にマイホームを購入し、マイカーを所有することでした。
時代は令和に移り変わり、家庭の在り方も変わりつつありますが、昭和世代の親を持つ影響なのか強いマイホーム願望を持つ人が少なくありません。
『マイホームは資産になる』という考えも昔はありましたが、個人的にはマイホームは『負債』にしかならないと考えています。
マイホームは賃貸に対してデメリットのほうがはるかに多いです。
家が壊れるのが先か、死ぬのが先か
税法上で定められた耐久年数は、木造住宅22年、鉄骨34年、鉄筋コンクリート47年と設定されています。
非常に短命に感じますが、日々のメンテナンスや補修を行わなかった場合の耐久年数です。
実際には、住宅の寿命を超えて住んでいる方はたくさんいますし、建築技術はよくなっていくと考えられますので、住宅の寿命は延びていくでしょう。
しかし、日本人の寿命は年々伸び続け『人生100年時代』になろうとしています。
これからの世代は、30歳でマイホームを購入すると、死ぬ頃には築70年の物件になってしまいます。
築70年にもなると安心して住める家ではなくなっている可能性も十分考えられます。
自然災害が怖い
日本は震災大国なので、毎年のように日本のどこかで自然災害により誰かの家が倒壊しています。
自然災害は予測できませんし、万が一自宅が倒壊してもローンはなくなりません。
地震保険や火災保険に加入していても一般的な補償額は30~50%だと言われています。
国からの補償金がでる場合もありますが、最大でも200万円程度が考えられ家の購入金額には到底とどきません。
マイホームが住めなくなったあとも、ローンが残っていれば払い続けないといけませんし、新しい住宅も用意しなければならないので『二重ローン』に苦しめられることが安易に想像がつきます。
ご近所トラブルが避けられない
これからの人生をずっと同じ土地に住んでいると、近所に住む人間も時と共に変わっていくと考えらえます。
万が一、騒音を出す人や迷惑な勧誘をする人など、トラブルになる人が近隣に引っ越してきたとしても、引っ越しをして逃げることが難しくなります。
また、トラブルではなくとも、マイホームでは自治体や当番などめんどうな人付き合いが増えます。
ライフスタイルの変化に対応できない
家に住む家族の人数は、ライフスタイルによって変化します。
夫婦と子供で住む想定でマイホームを購入する人が多いですが、子供はいつか巣立ち最終的には夫婦二人暮らしになるのが一般的です。
マーイホームを購入するのが当たり前の時代だったバブル世代も、子供が巣立って後に夫婦二人に広すぎるマイホームを手放しでいるとよく聞きます。
最終的に手放すのであれば、最初から賃貸でライフスタイルに合った家を借り移り住むほうが費用はかかりません。
住宅コストは賃貸の方がかからない
不動産屋のセールストークとして『賃貸は自分のものにならない。どうせ毎月同じお金を払うなら、マイホームを買いましょう。』とよく言われます。
実際は、固定資産税や10~12年の間隔で修繕が必要になるのでその費用も掛かります。
住宅ローンを組むのであれば、資産価値以上のお金を払う必要があります。
このため、一生賃貸で過ごすのと比較して、トータルコストはほとんど変わらないという結果になります。
かかる費用が同じであれば、ライフスタイル合った新しい家に住み替えていく方がリスクが少ないです。
日本の人口は減少していく中、空き家が増えていることが問題になっています。
このため、相当条件の良い立地の物件以外は残念ながら資産になりません。
自分の子供のことを考えるのであれば、負の遺産は持たない方が賢明かもしれません。